増田研に来たい人へ

今、博士課程へ進もう、研究者になろう、という日本人がそもそも少なくなったようです。まして、海外で博士課程やポスドクをしたい日本人はとても少ないように見受けます。ただ、来たい人はとても歓迎します。バッファロー(2019年〜2025年)では日本人のポスドク・博士課程学生を合計2人受け入れました。

博士課程で来たい場合

増田研は、ミシガン大学にあります。
Department of Computational Medicine and Bioinformatics と Department of Mathematics で学生をとることができます。
私がしている研究は、ネットワーク科学(理論、アルゴリズム)と、それに関係する数理生物学(数理モデリングやデータサイエンスよりも広く、遺伝子や脳のデータ解析、生物、医学、公衆衛生の研究チームとの直接の共同研究も含む)です。

私が志望者に求めることは以下です.

  • 学部での成績がそれなり以上に良いこと(そうでないと合格できない)。
  • 数学関係のそれなりの訓練.それなりとは、線形代数、大学の微積分、確率、統計、他の大学数学、統計物理、力学系、初歩的な情報理論、初歩的な信号処理、くらいの内の 2〜4 個以上を勉強したこと。これらは、理学部数学科的な授業でなければいけないわけではないです。 大学の公式見解ではないですが、私の考えとしては、日本の学部の1〜3年生レベルと思ってもらって、はずれていないと思います。 独学でも個人的には構わないのですが、入学願書としては、どの科目を学部(や修士)で履修して成績がどうであったか、ということをチェックされる傾向があると思います。したがって、例えば数学科に来たい場合は、独学だと、数学が大丈夫であることを履歴書や成績表で証明できないので難しいかもしれません。
  • プログラミングが嫌いではない(少なくとも,勉強する意欲がある)。

新年度は、8月終わりに始まります。
願書の締切は、例年1月か2月です。私もミシガンでは新しい教員なので、よく分かっていません。

私が5年半勤めたイギリスもそうなのですが、アメリカも授業料が高いことが有名です。授業料や生活費を大学や私が出すことになります。これの仕組みを細かく説明することはできますが、結局のところ、強い願書を出して下さい、ということに尽きます。もちろん、私に事前に相談するのがよいです。

授業料や生活費を大学や私が出さない例外は、日本の団体や企業が出す奨学金です。いくつかあるようです。競争率は高いようですが、実際に取れたという話も複数聞きます(私の学生ではないですが)。

日本(など)で博士課程を行いながら来たい場合

一般論になりますが、以下の選択肢があると思います。
どの方法でも、指導教員の許可・寛容さは必須です。反対の場合もあると思うので、よく自分の指導教員と話し合うのがいいです。
もめる可能性が垣間見える場合は、受け入れられません。

  • 学振 DC を持っているなら、海外に一定期間まで出ることができることを用いて来る。近年、学振の給料だとアメリカで生活できないとか、アメリカがビザをくれない(収入が低すぎて)という話も聞きます。私のところに来たい人は直接相談下さい。
  • 他の方法で旅費・滞在費を得てバッファローに来る。短いと成功しにくくて(英語だけなら短くてもそれなりに身につくでしょうが、研究・仕事的には)、最低1ヶ月程度以上だと思って下さい。例えば、ブリストル大学(イギリス)では、東北大学から6ヶ月学生を受け入れました(論文も出て、プレスリリースにもなりました)。その次の年には、フランスからインターンで学部生を3ヶ月受け入れたりもしました。

    最低1ヶ月程度と書きましたが、単なる訪問程度なら1日や数日でも歓迎です。ブリストル大学(イギリス)、ニューヨーク州立大学バッファロー校の時には、日本の博士課程の学生の訪問が何件かありました。

ポスドクで来たい場合

以下のような選択肢があると思います.

  • 海外学振で私を志望する(日本人の受け入れ実績1名)。
  • 学振PDで,海外に一定期間までは出ることができるので,その時期を用いて来る。

  • 私がポスドクを雇う研究費を持っている場合は、それに応募する。

増田研を希望する(かもしれない)方全般へ

私が大事だと思っていることは以下です。共感する個数が多ければ私とうまくいきやすいかもしれません。逆に、ドン引きするなら増田研には来ない方がいいでしょう。

  • 上下関係は好きでない。
  • 自分が変わろう、成長しよう、という気持ちをもって、かつ実践してほしい。たいていの人は数理力がないから負けるのではなくて、自分の殻を打ち破る実行を行えないから負ける。

  • プレゼン。解析そのものと同じくらい大事。

  • コミュニケーション。解析以上に大事。人と話すのが苦手で、かつ本気で直す気がない人は来ない方がいいです。

  • 女性を増やしたい。

  • 放任、自由ではなく、指導者が旗振って強い研究に導く。それを通じて独立していく。

  • マイクロ・マネジメントはしない。